2023.03.23イベント
3月7日奈良県経済倶楽部で岩井が行った講演
3月7日奈良県経済倶楽部で岩井が行った講演
3月7日奈良県経済倶楽部で岩井が行った講演の講演録を転載いたします。
アドラー心理学に学ぶ人生と経営の流儀
~後半戦が楽しくなる生き方のコツ~
有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役
ハリウッド大学院大学客員教授
岩井俊憲氏
火曜午餐会3月第1例会を3月7日(火)に開催。講師に有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役でハリウッド大学院大学客員教授の岩井俊憲氏をお招きし開催した。
「人生の転機となった出会い」について、近くの人と語り合う等、ワークショップも取り入れた充実した楽しい講演だった。
【ご挨拶】
奈良県経済倶楽部の菊池会長とは25年くらい前に知り合って研修もさせて頂いた間柄で、今回講演依頼を頂きました。アドラー心理学をもとに、人生は後半戦が楽しいということ、アクティブシニアという言葉があるが生涯現役に向けてできることがあるんだよということをたくさんお伝えしたいと思います。
【アドラー心理学との出会い】
1947年、栃木県で生まれ早稲田大学を卒業後、米国GE社とトヨタグループなどの合弁会社に勤務。23歳で中小企業診断士の資格を取り、仕事は営業課長、総合企画課長と管理職を勤め、家庭では妻と二人の子どもに恵まれ、家も購入、人生はとても順調だった。しかし、突然転機が訪れた。35歳の時会社のリストラで仕事を失った。仕事を頑張ってキャリアを重ねてきたが、道元禅師の「放てば手に満てり」の言葉通り何もかも解き放ったが希望だけは失わず生きようと思った。当時、坂東三十三か所観音霊場巡りや高尾山で滝行をして今までの経験が生かせない世界を知った。その後アドラー心理学に出会う。
【偶然という名の必然】
皆さんは生まれてから今日まで振り返ってどうですか? あのことがあったから、自分の人生が大きく変わった。こういう経験が必ずあるはず。何の出会いも偶然も無い人などいない。1999年にスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した「プランド・ハプンスタンス」という言葉がある。「計画された偶発性」理論といわれるものだが、偶然という名の必然には5つの力がある。
1. 新しい機会を模索する好奇心、2.失敗に屈せず努力する持続性、3.新しい機会が必ず実現する楽観性、4.信念、概念、態度、行動を変える柔軟性、5.結果が悪くてもそれを引き受けるリスク・テイキング
【アドラー心理学とは】
人生には心の支えになる言葉がある。私は一つの言葉に出会った。神学者ラインホールド・ニーバーの言葉を紹介したい。
「神よ、私にお与えください。変えることのできないものを受け入れる平静な心を、変えることのできるものは変える勇気を、そしてそれらを見分ける知恵を」
皆さんにも偶然の出会いがあったと思う。皆さんの心を支えている言葉は何ですか?読んだ本の一節でもいい。1分間、メモしてください。その言葉が自分にどんな勇気を与えてくれたか、その言葉があるからこそ困難に直面した時に勇気が出たのではないでしょうか。
アドラー心理学は困難を克服する活力を与え、過去にはこだわらない。
1, あなたの人生の主人公はほかならぬあなた自身
2, 過去を振り返って未来になにができるのか、あなたの行動には目的がある
不登校の子どもたちを支援した経験がある。彼らと話していると、なんでこうなってしまったのか否定的なことばかり考え、自分の人生を誰かのせいにして悪いことばかり探してしまう。だが、アドラー心理学では逆の考え方をする。たとえ、良くないことが起きたとしても、〇〇〇〇だったからこうなってしまった、と否定的に考えるのではなく、〇〇〇〇だったとしてもこうできる、と肯定的に考える。人生の主人公は自分自身だから、未来の建設的な目標イメージを持つことが大事である。アドラー心理学は物事をとてもポジティブに考える。
私は人生の転機にアドラー心理学に出会い、その後新しい出会いがあり、今の妻、先妻、子どもたちとも良好な関係を築いている。
【人は変わるか】
人間はいつでも自分を変えることができる。
「何歳くらいになったら、性格を変えるのには手遅れなのか」との問いにアドラーは「死ぬ1.2日前かな」と答えた、というS.M.ロス(『アドラーの思い出』の著者)の言葉がある。
自分を変えようと意識的にチャレンジし、努力すれば変えることができるのである。
【八掛け人生のすすめ】
父が75歳、私が35歳の時に二人で観音霊場巡りをした。今、自分は75歳。あの頃の父と同じ年齢になった。当時の写真を見れば同じ75歳でも自分の方が若く見える。今の年齢に0.8を掛けた年齢が実力年齢である。70歳なら、70×0.8=56歳、60歳なら48歳、50歳なら40歳。生涯感動、生涯青春でいるために、生涯現役でいよう。そのためには50歳代後半から準備し70歳代後半からの人生の完成を目指す。人生3段ロケット説(人生二毛作)である。今、100歳以上の人は全国に約10万人いる。今後もシニアは増え続けることだろう。だからこそ現役を続けながらやれるところまでやる。自分自身をリスペクトし、勇気を持ち、人に勇気を与える。実力を生かし野心を持って、シニア世代を輝いて生きてほしい。
【化石人間とは】
話題の中心が過去のことばかり、過去を未来に生かそうとしない。変化を嫌い、他者からまなぼうとしない。フィードバックを批判と受け止め、不健全な自己肯定感(自己満足)を持っている。そんな化石人間にならないためには3つの心構えが必要だ。
1. 物事を若者の目で見、若者の耳で聞き、若者の心で感じよう。(共感)
2. 私の外に私の知らない世界がある。私の中にも知らない世界がある。そんな世界にいつまでも好奇心を持ち続けよう。(好奇心)
3.化石人間化を阻止し、生涯現役を全うしよう。(生涯現役)
【志の字を書く】
「心」は4画。みんなバラバラだ。心の上に「一」マイナスを。その上に「+」を置けば「志」という字になる。志には、①心指し・・心の指し示す方向(使命、ビジョン、目標)②心差し・・心の物差し(倫理観)の2つの意味がある。
【アクティブシニアのための5か条】
皆さんが足腰を鍛えるためにやっていることを考えてください。次に頭脳を鍛えるためにやっていることは何でしょうか?
鼻呼吸を習慣化させることが大事。たとえば「あいうべ体操」
あー(口を大きく開けて)いー(口を横に広げて)うー(口を前に突き出して)べー(舌を伸ばす)これを1日30回繰り返しながら、口呼吸を鼻呼吸に変えていくことで健康的になる。シニアになっても元気で過ごすための5か条を紹介したい。
1. 生涯青春であるためにいつまでも憧れ、トキメキの心を持ち続けよう
2. 生涯感動できるようにいつまでも感謝・感激の心を養っていよう
3. 生涯研鑽するためにはアンテナを張り続け、メモを取りながら学ぼう
4. 生涯現役であるためには新進の鍛錬を欠かさないでいよう
5. 生涯貢献できるようにお役立ちの領域を探し続けよう
【最後に】
幸福であるためには自我を捨てよう。私は72歳からユーチューバーデビューした。95歳まで輝き続けたいと思っている。
アドラー心理学に学ぶ人生と経営の流儀
~後半戦が楽しくなる生き方のコツ~
有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役
ハリウッド大学院大学客員教授
岩井俊憲氏
火曜午餐会3月第1例会を3月7日(火)に開催。講師に有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役でハリウッド大学院大学客員教授の岩井俊憲氏をお招きし開催した。
「人生の転機となった出会い」について、近くの人と語り合う等、ワークショップも取り入れた充実した楽しい講演だった。
【ご挨拶】
奈良県経済倶楽部の菊池会長とは25年くらい前に知り合って研修もさせて頂いた間柄で、今回講演依頼を頂きました。アドラー心理学をもとに、人生は後半戦が楽しいということ、アクティブシニアという言葉があるが生涯現役に向けてできることがあるんだよということをたくさんお伝えしたいと思います。
【アドラー心理学との出会い】
1947年、栃木県で生まれ早稲田大学を卒業後、米国GE社とトヨタグループなどの合弁会社に勤務。23歳で中小企業診断士の資格を取り、仕事は営業課長、総合企画課長と管理職を勤め、家庭では妻と二人の子どもに恵まれ、家も購入、人生はとても順調だった。しかし、突然転機が訪れた。35歳の時会社のリストラで仕事を失った。仕事を頑張ってキャリアを重ねてきたが、道元禅師の「放てば手に満てり」の言葉通り何もかも解き放ったが希望だけは失わず生きようと思った。当時、坂東三十三か所観音霊場巡りや高尾山で滝行をして今までの経験が生かせない世界を知った。その後アドラー心理学に出会う。
【偶然という名の必然】
皆さんは生まれてから今日まで振り返ってどうですか? あのことがあったから、自分の人生が大きく変わった。こういう経験が必ずあるはず。何の出会いも偶然も無い人などいない。1999年にスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した「プランド・ハプンスタンス」という言葉がある。「計画された偶発性」理論といわれるものだが、偶然という名の必然には5つの力がある。
1. 新しい機会を模索する好奇心、2.失敗に屈せず努力する持続性、3.新しい機会が必ず実現する楽観性、4.信念、概念、態度、行動を変える柔軟性、5.結果が悪くてもそれを引き受けるリスク・テイキング
【アドラー心理学とは】
人生には心の支えになる言葉がある。私は一つの言葉に出会った。神学者ラインホールド・ニーバーの言葉を紹介したい。
「神よ、私にお与えください。変えることのできないものを受け入れる平静な心を、変えることのできるものは変える勇気を、そしてそれらを見分ける知恵を」
皆さんにも偶然の出会いがあったと思う。皆さんの心を支えている言葉は何ですか?読んだ本の一節でもいい。1分間、メモしてください。その言葉が自分にどんな勇気を与えてくれたか、その言葉があるからこそ困難に直面した時に勇気が出たのではないでしょうか。
アドラー心理学は困難を克服する活力を与え、過去にはこだわらない。
1, あなたの人生の主人公はほかならぬあなた自身
2, 過去を振り返って未来になにができるのか、あなたの行動には目的がある
不登校の子どもたちを支援した経験がある。彼らと話していると、なんでこうなってしまったのか否定的なことばかり考え、自分の人生を誰かのせいにして悪いことばかり探してしまう。だが、アドラー心理学では逆の考え方をする。たとえ、良くないことが起きたとしても、〇〇〇〇だったからこうなってしまった、と否定的に考えるのではなく、〇〇〇〇だったとしてもこうできる、と肯定的に考える。人生の主人公は自分自身だから、未来の建設的な目標イメージを持つことが大事である。アドラー心理学は物事をとてもポジティブに考える。
私は人生の転機にアドラー心理学に出会い、その後新しい出会いがあり、今の妻、先妻、子どもたちとも良好な関係を築いている。
【人は変わるか】
人間はいつでも自分を変えることができる。
「何歳くらいになったら、性格を変えるのには手遅れなのか」との問いにアドラーは「死ぬ1.2日前かな」と答えた、というS.M.ロス(『アドラーの思い出』の著者)の言葉がある。
自分を変えようと意識的にチャレンジし、努力すれば変えることができるのである。
【八掛け人生のすすめ】
父が75歳、私が35歳の時に二人で観音霊場巡りをした。今、自分は75歳。あの頃の父と同じ年齢になった。当時の写真を見れば同じ75歳でも自分の方が若く見える。今の年齢に0.8を掛けた年齢が実力年齢である。70歳なら、70×0.8=56歳、60歳なら48歳、50歳なら40歳。生涯感動、生涯青春でいるために、生涯現役でいよう。そのためには50歳代後半から準備し70歳代後半からの人生の完成を目指す。人生3段ロケット説(人生二毛作)である。今、100歳以上の人は全国に約10万人いる。今後もシニアは増え続けることだろう。だからこそ現役を続けながらやれるところまでやる。自分自身をリスペクトし、勇気を持ち、人に勇気を与える。実力を生かし野心を持って、シニア世代を輝いて生きてほしい。
【化石人間とは】
話題の中心が過去のことばかり、過去を未来に生かそうとしない。変化を嫌い、他者からまなぼうとしない。フィードバックを批判と受け止め、不健全な自己肯定感(自己満足)を持っている。そんな化石人間にならないためには3つの心構えが必要だ。
1. 物事を若者の目で見、若者の耳で聞き、若者の心で感じよう。(共感)
2. 私の外に私の知らない世界がある。私の中にも知らない世界がある。そんな世界にいつまでも好奇心を持ち続けよう。(好奇心)
3.化石人間化を阻止し、生涯現役を全うしよう。(生涯現役)
【志の字を書く】
「心」は4画。みんなバラバラだ。心の上に「一」マイナスを。その上に「+」を置けば「志」という字になる。志には、①心指し・・心の指し示す方向(使命、ビジョン、目標)②心差し・・心の物差し(倫理観)の2つの意味がある。
【アクティブシニアのための5か条】
皆さんが足腰を鍛えるためにやっていることを考えてください。次に頭脳を鍛えるためにやっていることは何でしょうか?
鼻呼吸を習慣化させることが大事。たとえば「あいうべ体操」
あー(口を大きく開けて)いー(口を横に広げて)うー(口を前に突き出して)べー(舌を伸ばす)これを1日30回繰り返しながら、口呼吸を鼻呼吸に変えていくことで健康的になる。シニアになっても元気で過ごすための5か条を紹介したい。
1. 生涯青春であるためにいつまでも憧れ、トキメキの心を持ち続けよう
2. 生涯感動できるようにいつまでも感謝・感激の心を養っていよう
3. 生涯研鑽するためにはアンテナを張り続け、メモを取りながら学ぼう
4. 生涯現役であるためには新進の鍛錬を欠かさないでいよう
5. 生涯貢献できるようにお役立ちの領域を探し続けよう
【最後に】
幸福であるためには自我を捨てよう。私は72歳からユーチューバーデビューした。95歳まで輝き続けたいと思っている。